ストレート・バーボンの人気は、歴史的にみればそんなに長くない?現行バーボンだって美味い!
純正で、フルボディでリッチなテイストのストレート・バーボンが消費者に受け入れられている時期というのは案外短いんだな、と『バーボンの歴史』という本を読みながら思った次第です。
ストレート・バーボンは、禁酒法や戦争などの影響で、製造量や売り上げが大きく左右されてきました。
ストレート・バーボンとは呼べないイミテーションウイスキーやブレンデッドウイスキー(スコッチのブレンデッドとは違う、純正バーボンと比べると粗悪品)が市場の大半を占めたあこともありました。
また、アメリカのベビーブーマー世代でウォッカブームが起こった頃は、蒸留の度数を上げて古樽も使うライトウイスキーと呼ばれるものなどが蔓延していて、ライトウイスキーは「ウイスキー風味のウォッカ」などと呼ばれていたそうです。
今やライトウイスキーやイミテーションウイスキーを好んで飲む人はいないでしょう。
フルボディでリッチなテイストのストレート・バーボンを必要としている期間は、アメリカ人のニーズによって、歴史年表を書いたならば飛び石のようになります。
朝鮮戦争の戦争特需でウイスキーの需要が伸びると予想したとあるメーカーが、戦争が早めに終わったため、長期熟成物の在庫をはけさせるために日本市場に超熟モノを売りつけたとも聞きます。
なお、バーボン業界が停滞していたとき(1970年代)に、本格的なバーボンへの回帰の先鞭をつけたのは、メーカーズマークだと言われています。
そして、メーカーズマークの成功にヒントを得たのか、ジムビームのスモールバッチ商品やブラントンといった高級志向のバーボンが人気になったというのが概略です。
メンチ切ったワイルドターキーのオールドボトルなど、バーボン低迷期にも美味しいバーボンを生産者たちは作り続けてきたのでしょうが、最近のスモールバッチシリーズもストロング、フルボディの美味いウイスキーを作っていると個人的には思います。