今海外も注目するテンカラ釣りの魅力にせまる。【2】
はてさて、渓流魚を対象とするテンカラ釣りの仕掛けを、たとえば湖沼でのバス釣りに、たとえば海でのメバル釣りに応用したら、それは「テンカラ釣り」と呼んでいいものだろうか?
テンカラ愛好家の中でも議論が分かれるだろうと思う。ブログなどで「海テンカラ」などと呼んで、海釣りにテンカラ仕掛けを応用している方々はいらっしゃる。
他方で、テンカラは渓流限定の釣りの作法のように捉えている方もいらっしゃる。
ちなみに、フライフィッシングの世界では海釣りも盛んである。
私見では、なるべくならこのような「渓流釣りとしてのテンカラ」から見ると邪道に思える渓流以外の釣りは、たとえテンカラ仕掛けを用いていようが、テンカラと呼ぶのには抵抗がある。
毛鉤の種類もフィールドも大きく違うし、その道の名人芸を動画等で目にすると、とてもではないが「テンカラ」という言葉を軽々に他分野にもあてはめるのは、敬意を欠くように思える。
では、テンカラ仕掛けの渓流以外での釣りをどう呼ぶか。イヴォン・シュイナードの著書からとって、「シンプル・フライフィッシング」、あるいは端的に「毛鉤(釣り)」と呼ぶことにしたい。
便宜上、英語表記の場合はTenkaraとするしかないが、やむをえないだろう。
渓流魚が釣れるフィールドが近くにない、あるいは禁漁期でしかたなく、という人でもシンプル・フライフィッシング/毛鉤釣りに挑戦してみると案外楽しいのではないか。
少なくとも、テンカラのキャスティングの練習程度にはなるのではないかと思う。